フレットの両端、3パターン

2024年3月16日

当店でフレット交換をお受けする際の、フレット両端の仕上げについてです。

3種類の仕上げ方法からお選びください。良し悪しではなく、好みです。フレットの端の丸め具合が違うだけで、それ以外の作業品質の高低はありません。

ネックの元の状態や元の加工に、フレット交換後の両端の仕上げ加工が制限される面があり、画像通りの仕上がりとならない場合があります。フレットの種類(形状・サイズ)が違うと、加工の程度は同じでも見た目のイメージが違ってきます。画像は、参考程度とお考えください。

「N」仕上げ

加工の程度 ・・・ あまり丸めない。

メリット ・・・ フレットの使用可能幅が、わずかにではあれ広めになる。

デメリット ・・・ 幅が広い/高さがある種類のフレットに交換する場合、多少、引っ掛かる感じがするかもしれない。

指でビブラートをかけた際に、弦がフレットから外れてしまうことが気にある方は、この仕上げが良いかもしれません。

個人的にはワイルドなブルース演奏スタイルに近いですが、この仕上げで十分です。フレットのサイズを問わず、手に引っ掛かって弾きにくいと感じたことはありません。

テクニカルな速弾きで縦横無尽にネックを使う方からは、ポジション移動等の際に引っ掛かりが気になる、と聞いたことがあります。

「E」仕上げ

加工の程度 ・・・ かなり丸め。

メリット ・・・ 指への当たりがなめらか。高級感がある。

デメリット ・・・ わずかに、フレットの使用可能幅が狭くなりそう。追加料金が発生する。

ネックのロー・ポジションからハイ・ポジションまで頻繁に移動するような演奏スタイルの方からは、引っ掛かりが無くて良い、という意見を聞いたことがあります。

個人的には演奏上のメリットをあまり感じませんが、見た感じに高級感があって良いな、と思います。そういうの大事ですよね、ギターやベースって。

「C」仕上げ

加工の程度 ・・・ 「N」と「E」の間くらい。

メリットとデメリットは、「N」と「E」の間くらいで、どっちつかず、というところでしょうか。

当店(Customhouse)では特に指定が無い場合は、ギターもベースもこのくらいにする、という標準的な仕上げです。

引っ掛かりもあまり気にならず、使用可能幅もそんなに減らず、というところで、おすすめです。追加料金もありません。

論語の昔から、中庸の徳ということが尊ばれていますが、偏らず、丁度いいところがいい塩梅、ということはフレットの仕上げについても言えるかもしれません。

3パターンの比較画像

番外編・「K」仕上げ

店頭用に新しくフレット仕上げのサンプル・ネックを用意しました。参考までに、ということで「K」仕上げを入れてみました。低価格の製品などで見かけるような仕上げです。

「K」→「N」→「C」→「E」の順に、丸くなっていきます。

↑↑↑ 紙やすりのみで研磨。
↑↑↑ 金属やすりで少し加工した後、紙やすりで研磨。
↑↑↑ 金属やすりでそれなりに加工した後、紙やすりで研磨。
↑↑↑ 金属やすりでかなり加工した後、紙やすりで研磨。

当店で「K」仕上げを採用することはありません。木部が痩せたりすると危険ですからね。ということで危険の「K」です。

「K」と比べると、「N」でも、けっこう丸め加工がされているのが、ご覧いただけるかと思います。

店頭では、このサンプルを見て触っていただけますよ。

まとめ

特にこだわりがなければ、おすすめは、中間程度の「C」仕上げ。

フレット・サイドの引っ掛かりがとにかく気になる方は、丸めに仕上げる「E」仕上げ。

フレット使用可能幅を少しでも広くしたい方は、丸みの少ない「N」仕上げ。

作業品質自体の上下はありませんので、お好みでお選びください。

メンテナンス料金表

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Posted by neo